掃除や洗濯など日常の家事を代わりにやってもらう「家事代行」という選択肢が広がっています。
その利用者拡大の背景のひとつとして、続々と新規事業者が参入していることが挙げられます。
それぞれに特徴を打ち出し家事代行サービスの利便性拡大というユーザーにとっては嬉しいできごとである反面、選択肢が広がることで選びにくいというデメリットも生まれている今の家事代行サービス。
このページの目次
家事代行サービス大手を通じて相場感を掴む
ここでは、
まず家事代行サービスの業界大手3社「ダスキン」「ベアーズ」「ニチイ学館」をピックアップし、サービスの内容や利用の際の注意点をまとめていきます。
利用者が増えているとはいえ、まだまだサービスが見えにくいのが正直なところでしょう。
あらゆるサービスを通じていえることでもあるが、まずはサービスの利用にあたって、そのサービスそのものの相場感を掴んでいることが重要となります。
相場感を掴むためには、やみくもに事業者を比較するよりも、まずは業界大手家事代行サービスを比較することが最適なステップと言えるでしょう。
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家事代行ってどんな風に使うの?家事代行の利用事例
例えば、
2人子供を持つ主婦の家事代行サービス活用方法
「普段できない家事が片付き、自分の時間も増えて、ストレスが減りました」
月2回、平日3時間に家事代行サービスを利用。
水回りの掃除や食事の下ごしらえを依頼。
この間に、主婦自身は子供の部屋の大掃除を行うといった時間の使い方をとる。
この他にも、子供の送り迎えや、料理自体も代行サービスとして依頼するケースもある。
家事代行サービス業界大手「ベアーズ」の場合、事前にサービス利用宅へ訪問しどういった家事代行を行うか営業担当者としっかり打ち合わせを行うことから始まる。
そのため、代行内容自体の細かな依頼、細かなスケジュール設定まで行うことができる。このように今の家事代行は利用者の細かなニーズに幅広く対応していることもあり、年々利用者が拡大しているのだ。
今や都市部では年間33万回の利用があるほどに家事代行サービスは浸透している。
ダスキン、ベアーズ、ニチイ学館の家事代行サービス
料金は最も価格が高くなる東京都内を基準として掲載しています。全て税込。
家事おてつだいサービス(ダスキン)
【1回のみの利用】
2時間:10,800円~
【最も安い定期料金】
1週間に1回・2週間に1回、2時間:8,640円~
【主なサービス内容】
・掃除
・選択
・アイロンがけ
・食器洗い
・買い物
・かたづけ
など
ベアーズ
【1回のみの利用】
3時間:13,860円~
【最も安い定期料金】
月2回、2時間:月額23,184円~
【主なサービス内容】
・掃除
・選択
・アイロンがけ
・食器洗い
・買い物
・料理
・保育園や塾など子供の送迎
・ペットの世話
など
⇒ベアーズ
ニチイライフ(ニチイ学館)
【1回のみの利用】
1時間:6,372円~
【最も安い定期料金】
週1回以上、1時間:3,888円~
【主なサービス内容】
・掃除
・選択
・アイロンがけ
・食器洗い
・買い物
・料理
・小学生以上の子供の送迎
・赤ちゃんのオムツ換えの補助
など
続々と立ち上がる家事代行サービス事業者と特徴
2013年設立の全国家事代行サービス協会には29業者が加盟している。
業界大手ベアーズの副社長で同協会の副会長は「女性の社会進出に伴い需要が増えている」という。
得意分野を前面に打ち出す業者も増加中だ。
介護事業大手のニチイ学館は、スタッフの多くが介護職員初任者研修修了以上の資格を持つ。
介護保険適用外の高齢世帯で掃除や料理を手助けしている。
「産前産後サービス」では赤ちゃんのおむつ替えや調乳を補助する。
ダスキンでは離島を除く全国サービスを展開中。
1時間分のサービスをプレゼントできるギフトカードは、母の日や年末などに需要が増えている。
新規参入も相次いでいる。14年設立のCaSy(カジー)は、利用者がインターネットで希望のサービスや時間、住所などを入力し、打ち合わせはネットでのやりとりで済ます。
2日後には利用でき、
掃除代行は2時間:5,430円から、
料理代行は3時間:7,795円から利用できる。
直前の申込は割増料金になるが、最速3時間後にスタッフが来るというスピード感を持っている。
手軽さで、若い共働き世帯や単身者に人気の家事代行サービスだ。
「サービスが期待と違う」家事代行でトラブルを生み出さないために確認すべきこと
トラブルには注意したい。
全国の消費生活サンタ―にはハウスクリーニングを含む訪問掃除サービスの相談が毎年9,000件程度ある。
中でも「サービスが期待と違う」という内容が多いようだ。
国民生活センターによると、事前に複数の業者を比べ価格やサービスの相場を把握することが大切だ。
自分の希望を伝え、見積もりをとり、書面で内容が希望に沿うかをしっかり確認しよう。モノが壊された時などの補償規定、中途解約方法やキャンセル料金も契約前に確認しておきたい。
自宅で契約を結べば訪問販売になり、契約書交付から8日間はクーリングオフできるが、自分から電話し、相談ではなく契約の意向を伝えていると対象外になるので、そのあたりも準備を整えて行動したいところだ。
利用前に必ず確認しておきたい3つのポイント
- 【1】見積もりなどで複数社の価格やサービスを比較する
- 【2】契約書をしっかりと確認。特にサービス内容、クーリングオフ、中途解約方法やキャンセル料を確認する
- 【3】破損や紛失の補償規定を確認
家事代行の範囲は広いが、高度な技術や知識を有するスペシャリスト集団ではない
同じ自宅訪問の掃除サービスでも、エアコンを分解したり、強力な洗剤でガスレンジを磨いたりする特殊な技術や薬品を使うものはハウスクリーニングと呼ばれる。
家事代行に定義はないが、
業界では一般的に利用者宅の道具や洗剤を使って、日常的な家事の範囲をやるものを家事代行としている。
あくまでも、通常自分で行っている作業の代行者であり、掃除のプロや料理のプロといった高度な技術や知識を提供してくれるものではないということを前提として理解しておかなければ、家事代行サービスに対するミスマッチが生まれる。
事業者に対するガイドラインが生まれた
経済産業省は14年に家事支援サービス推進協議会を設置し、事業者向けのガイドラインを策定している。
「提供サービス内容の明確化」や「適正な契約の締結」などの項目を整理した。
さらに事業者がガイドラインに沿ったサービスをしているかどうかを評価する仕組みを検討している。
政府では、我が国最大の潜在力である女性の力を最大限発揮し、「女性が輝く社会」を実現するため、一体となって取り組んでいます。
今般、経済産業省では、その一つの方策として、安価で安心な家事支援サービスを利活用できる環境整備を図るため、「家事支援サービス推進協議会」を設置し、検討を行ってまいりました。
このたび、報告書がとりまとめられ、「家事支援サービス事業者ガイドライン」を策定いたしましたので、公表いたします。
(経済産業省:「家事支援サービス推進協議会」の報告書をとりまとめました ~品質確保に向けた家事支援サービス事業者の取組指針となるガイドラインです~)
家事代行を利用しない理由とは
首都圏と大阪の25歳~44歳の女性約4万人を対象にした経済産業省の2014年の調査では、家事代行を利用したことがある人は3%。
関連する調査(約2千人対象)では、利用しない理由は「他人に家の中に入られることに抵抗感」「所得に対して価格が高いと思われる」が多かった。
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